「施工管理はきつい・辛い・大変というけど、実態はどうなの?」
「施工管理の良いところも知りたい」
「施工管理の仕事内容を知りたい」
と思っていませんか?
この記事では、
- 施工管理のきつい・辛い・大変の実態
- 施工管理の良いところ
- 施工管理の仕事内容
- 今後は働きやすくなる
- あなたが施工管理に向いてるか向いてないか?
がわかります。
ネットを見ると「施工管理はきつい・辛い・大変」と出てくるので、不安になりますよね?
施工管理の実態をまとめましたので、転職の参考にしてみてください。
それでは、さっそく見ていきましょう(^^)
施工管理(現場監督)はきつい・辛い・大変の実態24選
施工管理(現場監督)のきつい・辛い・大変な実態を、24個紹介します。
まずは実態を知りましょう。
①3K・新3K
建設業界は3Kと言われています。
3Kとは「きつい、汚い、危険」の頭文字をとったものです。
近年では新3Kも登場し、
- きつい、厳しい、帰れない
- きつい、帰れない、給料が安い
などの意味があります。
3Kや新3Kは施工管理にも当てはまります。
※現場作業員ほどではありませんが。
特に「きつい、帰れない」はかなり当てはまりますね。
施工管理は長時間労働で、きつい仕事です。
②長時間労働
施工管理は長時間労働です。
昼間は現場監督をして、夕方以降は事務作業があるためどうしても長時間労働になるからです。
施工管理の勤務時間は7時~21時くらいが普通です。
※始業は8時が多いですが、施工管理は準備のため7時入りです。
忙しいときは深夜まで残業することもあります。
月の残業が100時間を超えることもザラにあります。
建設業界は36協定がないので、長時間労働になりがち。
「36協定」とは、労働基準法36条のことです。
36協定では、月の残業時間の上限を、
- 1ヶ月:45時間
- 1年間:360時間
としているのですが、建設業界は36協定の適用除外業種なので無限に残業できてしまいます。
しかし、良いニュースもあります。
建設業界では働き方改革が進んでおり、2017年に改正されて労働基準法で残業の上限を設けるように動いています。
基本的には残業時間を36協定内に抑えることが理想ですが、超えてしまう場合でも、
- 月平均60時間
- 年間720時間
を上限にするようです。
出典:一般社団法人日本建設業連合会「時間外労働の適正化に向けた自主規制の試行について」
予定では2024年から残業時間の時間を設ける計画です。
建設業界の働き方改革については、
建設業界ニュースというサイトの施工管理は残業がつきもの【でも今後は働き方改革で減る予定】の記事が参考になるので、読んでみてください(^^)
③休みが少ない
施工管理は休みが少ないです。
そもそも、建設業界は週休1日が当たり前だからです。
国土交通省が発表した「建設業における働き方改革」を見ると、いかに建設業界の休みが少ないかがわかります。
出典:国土交通省「建設業における働き方改革」
また、工事が天候に左右されやすく、スケジュールが遅れると休日返上で働きます。
連休はめったにないので、旅行にはいけません。
④仕事量が多い
施工管理は仕事量が多いです。
建設業界はIT化が遅れており、システムで自動化できる業務をまだ人がやっているからです。
いまだに紙を使うあたりが時代遅れなところです(^^;
ただ、国も建設業界のIT化には積極的です。
- ICT
- i-Constraction
などのIT化を国土交通省が進めています。
参照:国土交通省「ICT の全面的な活用(ICT 土工)について」
今後は仕事が楽になると思われますが、現段階ではまだまだ仕事量が多いです。
⑤職人さんから怒られる
施工管理(現場監督)は、職人さんから怒られることがあります。
経験の浅い施工管理だと、職人さんの方が職歴が長くて仕事ができるため、イライラさせてしまうからです。
職人さんの中には荒っぽい人やこわい人もいるので、慣れないとどうしてもきついですね。
⑥現場の雑用が多い
施工管理は現場の雑用がけっこう多いです。
職人さんが仕事をしやすいように動き回るのも、施工管理の仕事だからです。
例えば、
- 現場の写真撮影
- 職人さんに飲み物を用意する
- 現場の掃除
- 近隣へのあいさつ
などの雑用をこなします。
施工管理というとかっこいい響きもありますが、現実的に雑用も多いです。
⑦現場が終わったら事務作業がある
一般的に施工管理は夕方まで現場監督をして、夕方以降は事務作業をします。
事務作業は施工管理の大事な仕事だからです。
例えば、
- CADという設計ソフトで設計図をわかりやすくする
- 確認申請の書類づくり
- 現場写真の整理
- 報告業務
などを行います。
忙しい時期は事務作業も多くなるので、
帰りが遅くなるのがきついところです。
⑧通気性の悪い服なので夏は地獄
施工管理も作業着を着ます。
現場は落下物の危険性もあるため、体を守れる服装が必須だからです。
ですが、作業着は丈夫なかわりに通気性が悪いので、夏は地獄です。
昼間は現場にでていることも多いので、かなり汗をかきます。
⑨冬の外作業はきつい
施工管理は、冬の外作業が寒くてきついです。
建設業である以上、外作業や空調のない現場がほとんどなので、冬場はかなり寒いです。
体調を崩しやすいので注意が必要です。
⑩休憩が少ない
施工管理は休憩が少ないです。
忙しいときは、ご飯を食べる暇もないからです。
事務作業をしながら昼食をとったり、昼食すらとれないこともあります。
工期が遅れているときは、休憩が少なくなります。
⑪戸建住宅の施工管理はかけもちが多く大変
ハウスメーカーや工務店の施工管理は、かなり忙しいです。
現場をかけもちするからです。
戸建住宅は現場は小規模な代わりにかけもちになるので、いくつもの現場を同時進行させる大変さがあります。
⑫みなし残業、固定残業だとサービス残業が多い
施工管理はサービス残業が多いです。
会社の残業規定が、みなし残業や固定残業になっている会社が多いからです。
前述のとおり建設業界には36協定がないため、残業しようと思えば無限にできてしまいます。
しかし、残業代を全額払うと会社がきついので、みなし残業や固定残業にしている会社が多いのです。
みなし残業や固定残業は、残業代の上限が決められています。
ということは、残業するほど損ということ。
支給される給料が高いですが、
時給計算すると薄給になります。
残業代を全額もらいたい場合は、技術者派遣で働きましょう。
技術者派遣は、残業代100%支給だからです。
「派遣」とつきますが、正社員です。
技術者派遣の会社の正社員として雇用されて、働くのは別の建設会社の現場という意味です。
技術者派遣は、建設会社から引き抜かれることもあります。
くわしくは、現場監督の派遣は引き抜きがある【引き抜かれやすい条件も紹介】にまとめているので、興味がある人は読んでみてください。
⑬危険と隣り合わせ
施工管理は危険と隣り合わせの仕事です。
現場作業はないですが、現場は危険が潜んでいるからです。
例えば、
- 高所からの落下
- 落下物があたる
- 破片が飛んでくる
などの危険があります。
ケガをすることもあるのが辛いところです。
⑭転勤や出張が多い
大手ゼネコンほど、転勤や出張が多いです。
日本中、世界中に現場があるからです。
転勤が多すぎて、家庭が崩壊する人もいます。
- 自宅に帰れない
- 奥さんが愛想をつかして離婚する
- 子供がなつかない
なども辛いところです。
⑮うつ病になる人もいる
施工管理はうつ病になる人もいます。
大きな責任とプレッシャー、人間関係などの精神的負担が大きい仕事だからです。
中には自殺してしまう人もいます。
⑯クライアント、職人さん、会社の間に挟まれる。理不尽が多い
施工管理は理不尽が多いです。
クライアント、職人さん、会社の間に挟まれる仕事だからです。
例えば、クライアントの要望に応えようとすれば、
- 職人さんが「話が違う!」と怒り出す
- 会社が「利益が減るだろ!」と怒り出す
- 職人さんや会社を優先すれば、クライアントに怒られる
と、堂々巡りになることも。
理不尽に耐えなければいけないのも辛いところです。
⑰責任が重い仕事
施工管理は責任が重い仕事です。
工事の責任者なので、ミスがあった場合責任を問われてしまうからです。
建設工事では、1つのミスが命取りになることも。
施工ミスは会社の信用を落としてしまうため、減給や降格もあるでしょう。
施工ミスがあった建物が、震災で重大な被害をだしてしまう危険性もあります。
⑱トイレが汚い
現場のトイレは汚いです。
きれいにトイレを使う人ばかりではないからです。
職人さんの中には荒っぽい人もいて、トイレを汚く使っても気にしない人もいます。
きれい好きの人にはきついところです。
⑲ホコリや臭いがあって体に悪い
工事現場はホコリや臭いがつきもの。
昼間の現場監督のときはホコリや臭いをもろにかぶるので、きついところです。
工事の内容によっては健康被害もあるので、体調が崩れることもあります。
⑳飲み会が多い
施工管理は飲み会が多いです。
職人さん、下請け業者、取引業者などとの飲み会に、すべて呼ばれるからです。
建設業界はまだまだ古いので、お酒が飲めないと不機嫌になる職人さんもいます。
また、施工管理は朝早い仕事なので、夜中まで飲み会があるとしんどいです。
㉑下ネタが多い
現場で下ネタを聞くことも多いです。
建設業界は男性が多く、職人さんの中には平気で下ネタを連発する人もいるからです。
下ネタが大丈夫な人は気になりませんが、苦手な人にはストレスでしょう。
特に、女性の施工管理はしんどいときもありますね。
㉒仕事が終わったあとも勉強
経験が浅い施工管理は、仕事が終わったあとも勉強があります。
覚えなければいけないことが多いですし、
資格取得の勉強もあるからです。
夜遅くまで仕事をしてから勉強するのは、かなり大変です。
会社からは「施工管理技士をとれ」と言われるので、夜中まで勉強する日もあるでしょう。
※施工管理技士は、施工管理の国家資格です。
どんな仕事も大変なのは当然ですが、施工管理はけっこうきつい方です。
㉓辞めづらい
施工管理は辞めづらい仕事です。
担当している現場が終わらないと、なかなか辞めさせてもらえないからです。
就業規則には「退職の2ヶ月前に申し出ること」と書かれていても、現実は2ヶ月で辞められないことがほとんど。
施工管理は途中から別の人に変わるのが難しいので、現場が終わるタイミングで退職しましょう。
また、施工管理は給料が高いので、他の職業に転職するとだいたい給料が下がります。
生活の質を下げるのは大変なので、給料ダウンが理由で辞められない人もいます。
㉔体力が必要
施工管理は肉体労働ではありませんが、体力は必要です。
長時間労働で休みが少ないからです。
「体力に自信がない」という人は、慎重に判断した方がいいですよ。
施工管理の良いところ6選
きつい・辛い・大変な施工管理ですが、良いところもあります。
施工管理の良いところを見てみましょう。
①スキルが身につけば年収が高い
施工管理はスキルが身につけば、かなり高い年収になります。
施工管理が不足しているため1人あたりの需要が高く、スキルがある人は超貴重だからです。
年収1000万円以上稼ぐ施工管理もいますよ。
忙しくて大変な仕事ですが、収入はかなり高くなります。
②手に職がつくので食いっぱぐれがない
施工管理はスキルが身につけば、食いっぱぐれはありません。
施工管理が不足していて、建設会社で優秀な施工管理の奪い合いをしているからです。
なので、転職も有利です。
どこに行っても食っていける、手に職が就く仕事です。
建設がなくなることも考えにくいので、将来性もかなりある仕事です。
③建設物が完成したときの達成感がハンパない
建設物が完成したときの達成感は、ちょっと他の職業では味わえないですね。
みんなで苦労して造った建設物を目の前にすると、涙がでます。
職人さんとモメたり、スケジュールが遅れたりして大変だった現場ほど、感動はひとしおです。
仲が悪かった職人さんとも、完成のときに仲良くなることもあります。
そして、その職人さんずっと仲良くなることも(^^)
目に見える大きな建設物の完成は、施工管理にしか味わえない達成感があります。
④世の中の役に立っていることを実感しやすい
施工管理は、世の中の役に立っていることを実感しやすい仕事です。
建設物は、人の暮らしを豊かにするものだからです。
例えば、
- 山を越えなければいけなかった地域にトンネルを通して、住民の暮らしが豊かになる
- 回り道しなければいけなかったところに橋をかけて、移動がスムーズになる
- ショッピングセンターを造ることで、住民の暮らしが便利になる
- 家族の夢のマイホームを造ってあげる
などは、世の中の役に立っていることを実感できます。
⑤お客様に直接感謝される
施工管理はお客様に感謝される仕事です。
前述のとおり、建設物は人の役に立つものだからです。
例えば、
- マイホームが完成して、家族みんなから「ありがとう」と言われた
- リフォームして、家族から感謝の手紙をもらった
- 道路工事をすることで、住民から感謝された
など、直接「ありがとう」を言われることが多いです。
大変な仕事ですが、直接「ありがとう」と言われると嬉しいものですよ(^^)
⑥地図に残る仕事
施工管理の仕事は、地図に残ります。
地図に残るような建設物に携われたことは、後になって達成感と自信になります。
子供に「あの建物はお父さんが造ったんだぞ」と言えるのは、施工管理の特権でしょう。
施工管理の6つの仕事内容
きついと言われる施工管理ですが、仕事内容を確認しておきましょう。
施工管理の主な仕事内容は、下記の6つ。
- 工程管理
- 安全管理
- 品質管理
- 原価管理
- 出来形管理
- 申請業務
それぞれの仕事内容を紹介します。
工程管理
工程管理とは、建設物が設計書通りに工事ができているかを管理することです。
設計書と違うものができたら、大問題になるからです。
また、期限までにかんせいできるようスケジュール管理もします。
工事が遅れているようであれば、
- 工事の順番を調整する
- 業者との調整
- 人材の補填
などの作戦を立てて、実行します。
安全管理
安全管理は、現場の職人さんたちの安全を守るため施策づくりです。
事故は絶対に起こしてはならないからです。
例えば、
- 危険個所をわかりやすくしておく
- 高所作業の指導
- 落下物がないように、作業の手順を説明
- 破片が飛散しないようにカバーを設置する
など、安全な現場にする管理を行います。
品質管理
品質管理は、建設物の品質が顧客の要望を満たすための仕事です。
低品質な建設物を造ってしまうと、訴訟に発展するからです。
品質管理するのは多岐にわたります。
例えば、
- 鉄骨の強度
- 外壁の素材
- 防水加工の材料
- 設備の機能
など、たくさんのチェックがあります。
原価管理
原価管理は、工事できちんと利益を出せるようにすることです。
赤字になったら、会社に迷惑がかかるからです。
例えば、施主から依頼があっても、依頼に応じることで赤字になるなら調整が必要です。
工事のスケジュールが遅れているからといって、人材を大量に投入したら人件費がかさみます。
やっていることは社長さんのようなものです。
工事できちんと黒字を出すように調整するのも、施工管理の仕事です。
出来形管理
出来形管理とは、依頼された規格基準を満たすようにすることです。
完成した建設物の規格基準が満たされていないと、大問題に発展するからです。
まさか、造りなおすわけにもいかないですしね。
工事の途中でも、規格基準を下回らないよう目を光らせる仕事です。
申請業務
建設物は各種申請が必要です。
勝手に建設物を造ってはいけないからです。
例えば、
- 行政へ確認申請
- 電気を引っ張るために電力会社に申請
- 水道を引っ張るために水道局に申請
- ガスを引っ張るためにガス会社に申請
などがあります。
申請は事務作業が多く、書類作成能力やパソコンスキルも必要です。
今後は働きやすくなる【働き方改革とIT化】
きつい・辛い・大変な施工管理ですが、今後は働きやすくなりそうです。
前述のとおり、
- 働き方改革が進んでいるから
- IT化が進んでいるから
です。
残業時間の上限を設けたり、週休2日制の導入も動き出しています。
残業時間を超過した会社は、公共工事を受けられないなどのペナルティを課すようです。
「週休2日は無理だ」という声もありますが、業界全体で依頼主側にも理解を求めていくそうです。
参考:国土交通省「建設業における働き方改革」
また、本来は建設業界はITと相性が良いんです。
工事現場は危険もあるため、ロボットが工事をする研究が進められています。
引用元:Youtube『人間の2倍の速さで・・・次世代の建設用ロボットを公開(18/04/23)』
ロボットが工事するメリットは、
- 24時間労働できる
- ミスが少ない
- 人に危険がない
などです。
AIを使ったロボット開発も進んでいるため、人が操縦しなくても工事できるようになるでしょう。
施工管理に向いてる人【適性を診断】
施工管理は大変な仕事なので、向き不向きがあります。
※どの仕事にも向き不向きはありますが。
「自分は施工管理に向いてるのかなぁ…?」というのは気になるところですよね?
あなたが施工管理に向いてるかを知るには、建設業界ニュースというサイトの、
施工管理に向いてる人の特徴30選【未経験で就職する方法も解説】を読んでみてください。
30個のチェックリストで、あなたが施工管理に向いてるかわかります。
興味ある人は、30個のチェックリストをやってみてください(^^)
まとめ
最後に、この記事の内容をまとめます。
- 施工管理はきつい・辛い・大変
- でも、良いところもある
- 施工管理の仕事内容は大きく分けて6つ
- 働き方改革とIT化で、今後は働きやすくなる
- あなたが施工管理に向いてるかチェックしてみよう
施工管理への転職を考えているあなたが冷静な判断をできるように、良いことも悪いことも書きました。
悪いところを理解した上で、
それでも「やってみようかな」と思えたら施工管理に挑戦してみてください。
施工管理はきつい仕事ですが、将来性や収入は間違いありません。
一生食いっぱぐれない仕事なので、スキルを身につける価値は高いですよ。
- 年金の崩壊
- 老後は2000万円必要
などと世間では騒がれていますが、施工管理であれば両方クリアできます。
あなたの仕事選びの参考になればうれしいです(^^)